「越える」は、目の前にある障害物や境界線を乗り越えたり、時間が流れることを示す時に使います。
たとえば、「空を飛んで山を越える」、「試験の壁を越える」、「季節が変わって春を越える」のように使いますね。
それに対して、「超える」は、何かの基準や量、範囲を上回ることや、順番を抜かして先に進むこと、目立って優れていることを表します。数字やルールを上回る時は、「売上で去年を超える」、「定員を超えてしまった」のように、そして、人と比べてすごいときは「先輩を超える実力」とか使います。
この2つは似ているけど、使う場面が違います。
でも、混同しやすい場合もありますよね。
「国境を越える」と言うと、普通は実際に国の境界を通ること。
でも、「国境を超える協力」と言ったら、国の違いを超えて協力することを指すから、もっと抽象的な意味になるんです。
権限の話になると、普通は「権限を超える」って使うけど、「越権行為」という言葉があるみたいに、「権限を越える」とも言えます。
年齢についても、「60歳を超える」は数値として60歳以上という意味だけど、「60の坂を越える」と言うと、人生の節目を表現しているから、ちょっと違ったニュアンスがあるんです。