ズワイガニとは
市場で見かけるズワイガニには、複数の種類が存在します。
具体的には、一般的によく知られているズワイガニ(ここでは本ズワイガニと称します)、サイズが大きめのオオズワイガニ、色が特徴的なベニズワイガニの三種類があります。中でも、本ズワイガニは最もポピュラーな種類で、広く流通しています。
松葉ガニと越前ガニの違い
ズワイガニの中でも、特に「松葉ガニ」と「越前ガニ」という名称は、本ズワイガニを基に、その産地によって名付けられたものです。
つまり、これらはズワイガニの亜種や変種ではなく、産地による呼称の違いに過ぎません。
松葉ガニは山陰地方、具体的には京都府から島根県にかけての漁港で獲れるズワイガニのことを指し、越前ガニは福井県の越前地方で捕獲されるズワイガニを指します。
ズワイガニの地域ごとの名称
さらに、ズワイガニには他にも地域ごとに特有の名称が存在します。
例えば、石川県の加賀・能登地方で捕獲される「加能ガニ」、北海道で獲れる「北海松葉ガニ」、山形県の庄内地方で獲れる「ヨシガニ」など、地域に根差した様々な名称があります。
これらはすべてズワイガニの別称であり、地域ごとに独自のブランド化が進められています。
松葉ガニの細分化
近年では、ズワイガニの中でも特に松葉ガニに関して、その呼称がさらに細分化されてきています。
例としては、間人ガニ(たいざガニ)、柴山ガニ、津居山ガニ、大善ガニといった、より具体的な産地を示す名称で市場に出されているケースがあります。
これは、各漁港が独自のブランドを確立し、差別化を図るための戦略と言えるでしょう。
ズワイガニのオスとメスの違い
また、ズワイガニにおいては、オスとメスで大きさが異なるため、性別によっても異なる名前が付けられることが一般的です。
オスには松葉ガニや越前ガニの他に、香住ガニや間人ガニなどの名称があり、メスにはメガニやオヤガニ、コッペガニやコウバコガニ、セコガニやセイコガニ、クロコなど、様々な愛称で呼ばれています。
マツバガニについて
最後に、日本の標準和名である「マツバガニ」は、実はオウギガニ科に属する異なる種類のカニを指す名称です。
しかし、一般的にはズワイガニの一種として「松葉ガニ」という名称が用いられることが多いです。
このように、ズワイガニとその関連種には多様な名称が存在し、それぞれが特定の産地や特徴に基づいて名付けられているのです。
名称 | 特徴 | 産地 |
---|---|---|
ズワイガニ(本ズワイガニ) | 最もポピュラーで広く流通している | 一般 |
オオズワイガニ | サイズが大きめ | 一般 |
ベニズワイガニ | 色が特徴的 | 一般 |
松葉ガニ | 京都府から島根県の漁港で水揚げされる | 山陰地方(京都府〜島根県) |
越前ガニ | 福井県の越前地方で水揚げされる | 越前地方(福井県) |
加能ガニ | 石川県の加賀・能登地方で水揚げされる | 加賀・能登地方(石川県) |
北海松葉ガニ | 北海道で水揚げされる | 北海道 |
ヨシガニ | 山形県の庄内地方で水揚げされる | 庄内地方(山形県) |
間人ガニ(たいざガニ) | 漁港ごとの差別化(ブランド化)の一例 | 細分化されたブランド名 |
柴山ガニ | 漁港ごとの差別化(ブランド化)の一例 | 細分化されたブランド名 |
津居山ガニ | 漁港ごとの差別化(ブランド化)の一例 | 細分化されたブランド名 |
大善ガニ | 漁港ごとの差別化(ブランド化)の一例 | 細分化されたブランド名 |
メガニ・オヤガニ・コッペガニなど(メス) | 性別によっても異なる名前が付けられる(メス) | 多くの漁港 |
香住ガニ・間人ガニなど(オス) | 性別によっても異なる名前が付けられる(オス) | 多くの漁港 |
よくある質問とその答え
本ズワイガニが最も一般的で広く流通しています。
松葉ガニは京都府から島根県の山陰地方で水揚げされるズワイガニのことで、越前ガニは福井県の越前地方で水揚げされるズワイガニのことを指します。
どちらもズワイガニの一種です。
ズワイガニには、加能ガニ(石川県の加賀・能登地方)、北海松葉ガニ(北海道)、ヨシガニ(山形県の庄内地方)など、産地によって様々な名称が付けられています。
特定の地名が付けられる主な理由は、漁港ごとにズワイガニのブランド化を図るためです。
これにより、産地の特性を前面に出して、消費者にその特徴を伝え、差別化を図っています。
これはサイズや特徴の違いを明確にするためです。
名称が似ているため混同されがちですが、科学的には異なる種類のカニです。